JOURNAL

gicipiとはじめる、春のこと― 小林 文(editor)

ノンストレスな着心地とスマートなデザインで、目の肥えたファッション業界の皆さんにも愛用者が多いgicipi。
2022ssの新作を、これからの季節に着たいリアルなコーディネートとともに語っていただきました。

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この冬も、ジチピのニットには大変お世話になりました。シアーな白ニット、ベージュのリブニット…繊細な見た目に反し、家でごくごく簡単にケア(ネットに入れて手洗いモードで洗濯)できるタフさもあって。肌寒い春先はまだまだお世話になりそうなので、衣替えをしても引き続きスタメンとして、私のクローゼットを支えてくれています。

ただ、やはりジチピには春が似合う! 四季を通じてそれぞれのアイテムを愛用している私ですが、春は最もジチピを愛でている気がします。

さっそく、この春の私のイチオシとともに、春とジチピの相性の良さについて語らせてください。

カットソー【ORO】(オーロ)/¥6380(税込)

ジチピの定番、リブカットソー。ジチピ愛用者の多くは、このシリーズからハマっていく人(もちろん私もそのひとり)が多いのではないでしょうか?

シーズンごとにちょっとしたデザインチェンジをしているくらいなのに、「去年のものとはまったく別モノだわ!」と驚かされ手に入れざるを得ない、なんとも困ったシリーズ(笑)。今回もガッチリと心を鷲掴みにされました。

新作、ハイネック。といっても、高さ控えめ、春仕様のハイネック。首が短めの私でも、上半分は素肌がのぞきいます。そして、ハイネックと裾の端にはメロウ加工が施されている。そう、これが今シーズンの最大の推しポイントなのです。

メロウ加工とは、ロックミシンによってできるひらひらとした波のようなディテールのこと。子どもの肌着など、繊細な素材やアイテムによく用いられていますよね。このカットソーに関しても、コットン100%の薄手でうっすら肌が透ける素材。春の海のように、穏やかでやさしい波を描いています。

このちょっとしたディテールのおかげで、どこかコケティッシュでロマンティックなムードが漂う。甘ったるさを感じない、くすみを排除したクリアなホワイトは、“はじめまして”シーズンの定番アイテム・白シャツにも負けない、とびきりの清潔感とキレがあります。

一枚で着るならインナーに白いカップ付きキャミソールを着て。ネイビースラックスと合わせてクリーンに着こなしたい気分です。

ちなみに、インナーカットソーとしてもかなり使える! 薄手かつピタッとしたシルエットで、地厚なスウェットを合わせてももっさりしないから。いつものオールネイビーのコーディネートがぐんと新鮮に見えます。

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こちらは色違いの黒。
白ほどではありませんが、こちらもほのかに肌が透けるため、黒は黒でも軽やか、春の黒。色落ちのブラックデニムを合わせて全身黒にしても重たくならないのは、繊細な素材とディテールのおかげです。

ほんの少しの甘いデザインと絶妙なフィット感、そして、締めつけ感のないノンストレスな着心地。程よい緊張感と心の余裕が欲しい、大人の春にぴったりです。

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【profile】
1985年愛知県名古屋市生まれ。大学卒業後上京し、約5年半、人材系企業に営業職として勤務。28歳でエディターを志し、転身。現在はフリーランスのファッションエディターとして小学館『Oggi』、講談社『mi-mollet』などで活躍中。またアパレルブランドや百貨店との商品開発、トークイベント、コラム執筆も担当。インスタグラム@kobayashi_bunでは日々リアルなコーディネートを更新中。またnote( https://note.com/kobayashi_bun/ )では、インスタグラムでは語りきれない、ファッションや日々のこと、お笑いエッセイ『笑いのブン学』を綴る。